日本データベース学会

dbjapanメーリングリストアーカイブ(2008年)

[dbjapan] DBSJ Newsletter Vol.1, No.1


日本データベース学会会員の皆様

日本データベース学会電子広報委員会の横田です。

今月より毎月末に「日本データベース学会Newsletter」を発行します.当面内容
は,各種研究集会の開催報告や参加報告,dbjapanに投稿された情報のサマリー
を中心に編集していく予定です.これに対応し,学会HPでのNewsletterと会議
情報ののアーカイビング等を予定しています.

ご意見,ご希望,コメント等は newsletter [at] dbsj.org までお願いします.



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┃ 日本データベース学会 Newsletter
┃ 2008年10月号 ( Vol. 1, No. 1 )
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【目次】

0. DBSJ Newsletterの創刊にあたって [日本データベース学会会長 増永]

1.報告集

・ 9/21-23 iDBフォーラム2008
    開催報告(その1)[京都産業大学 中島, 大阪大学 原]
    開催報告(その2)[大阪大学 原, 京都産業大学 中島]
    参加報告 [京都大学 大島]
・ 9/24 Prof. Y.C. Tay講演会 [東京大学 中野]
・ 9/25-26 DMSS2008 [産業技術総合研究所 神嶌]
・10/ 9 第93回ISセミナー ストレージ最新テクノロジセミナー
    [電気通信大学 横山]

2.論文募集

・10/31論文締切:DMIEW, 2009/3/16-19, 福岡工業大学
・11/15論文締切:MAW-09, 2009/ 5/26-29 , Bradford, UK
・12/15申込締切,1/9論文締切:DEIM Fourm 2009, 2009/3/8-10, 静岡県掛川市
・12/26論文締切: 日本データベース学会論文誌 Vol.7 No.4
・ 1/23論文締切:JCDL2009, Austin, TX, USA
・ 3/ 6論文締切:KDD-2009, Paris, France

3.会議案内

[国内]
・2008/11/10 IEEE Japan Council WIE (Women in Engineering), 名古屋大学
・2008/11/10-13 国際シンポジウム:IGYから50年, 産業技術総合研究所
・2008/11/29 楽天研究開発シンポジウム2008, 楽天本社
・2008/12/ 1- 2 WebDBフォーラム2008, 学習院大
・2008/12/11-12 第13回Webインテリジェンスとインタラクション研究会,
        神奈川近代文学館
・2008/12/15-16 ISUC2008, 大阪国際会議場
・2008/12/16-19 NTCIR-7成果報告会, 学術総合センター
・2008/12/20-21 じんもんこん2008, 筑波大学
・2009/ 3/11-14 Pervasive 2009, 奈良県新公会堂

[海外]
・2008/11/ 5- 7 ACM SenSys 2008, Raleigh, NC, USA
・2008/11/12-14 CooPIS2008, Monterrey, Mexico
・2008/11/13-16 ICDIM 2008, London. UK
・2008/12/ 8-11 ASWC 2008, Bangkok, Thailand
・2008/12/15-17 PRDC'08, Taipei, Taiwan
・2009/ 1/15-16 ICUIMC-2009, Suwon, Korea
・2009/ 4/21-23 DASFAA 2009, Brisbane, Australia
・2009/ 4/27-30 PAKDD-09, Bangkok, Thailand
・2009/ 5/26-29 AINA2009, Bradford, UK
・2009/ 5/26-29 DMWPC 2009, Bradford, UK

4.教員公募

・11/21締切 立命館大学 助教(任期5年)3名
・11/28締切 東北大学大学院 教授1名
・12/ 1締切 東京電機大学 助教(任期付)1名

5.その他

・文科省科研費 特定領域研究「情報爆発IT基盤」
・未踏 IT人材発掘・育成事業, [筑波大学 加藤]
・11/7 17:00 - 11/10 10:00 学会サーバ停止



【内容】

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0. DBSJ Newsletterの創刊にあたって

【日本データベース学会会長 増永良文】

日本データベース学会(The Database Society of Japan, DBSJ)は2002年5月21
日に旗揚げした.当時は有志による小さな組織だったが,現在は正会員1500名弱,
学生会員約300,維持会員(企業会員のこと)18社からなる団体へと成長した.
その設立の趣旨に賛同してくれた多くの者に恵まれている,ということであろう.
DBSJの活動は,論文誌刊行,表彰,産学連携プログラム,研究グループ,メーリ
ングリストdbjapanの運用,そして情報処理学会DBS研究会と電子情報通信学会DE
研究専門委員会との連携による様々な国内的・国際的事業の展開など多岐にわた
っている.今回,DBSJの活動のビジビリティをさらに向上させるために「DBSJ
Newsletter」を刊行する運びとなった.編集長は,DBSJ電子広報委員長の横田一
正氏(岡山県立大)が務める.我が国のデータベースの歴史は40数年になるが,
2008年は,多くの会員の血のにじむような努力により,我が国の新しいデータベ
ースカレンダーが実装された記念すべき年でもある.このような状況の中,まさ
にタイムリーなDBSJ Newsletterの刊行が,我が国のデータベースコミュニティの
更なる発展に資することは明らかである.その創刊を祝福したい.

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1.報告集

●会議名:iDBフォーラム2008
 日時:2008年9月21-23日
 場所:飯坂ホテル聚楽 (福島市飯坂町西滝の町27)
 URL: http://db-event.jpn.org/idb2008/
 主催:情報処理学会 データベースシステム研究会
  電子情報通信学会 データ工学研究専門委員会
  日本データベース学会

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○iDBフォーラム2008開催報告(その1)
 〜DBコミュニティの国際化を目指した第1回フォーラム

【報告者:iDB2008実行委員長 京都産業大学 中島伸介, 大阪大学 原隆浩】

 毎年夏に開催しておりました夏のデータベースワークショップが,データベー
スコミュニティの国際化を目指したiDBフォーラムとして生まれ変わり,今年9
月に福島県飯坂温泉にて,情報処理学会データベースシステム研究会,電子情報
通信学会データ工学研究会,および日本データベース学会の共催のもと開催され
ました.参加者数は,海外招待者7名を含め約140名と大盛況でした. 本フォー
ラムの目玉は,主に若手研究者(博士課程学生および博士学位取得後5年以内の
研究者)を対象とした英語発表に,韓国および中国からの著名な研究者による招
待講演をミックスした,英語口頭発表セッションです.この英語口頭発表セッシ
ョンでは, 8つのセッションが組まれ,28件の発表(招待講演7件を含む)全て,
発表はもちろんのこと質疑応答に至るまで全て英語で行われました.全て英語と
いうこともあり,活発な質疑応答が行われるか心配しておりましたが,海外招待
者にも積極的に議論に参加していただき,活発な質疑応答がなされました.
 さらに,7名の海外招待者をコメンテータとして迎えた,英語ポスターディス
カッションを行いました.こちらは,口頭発表セッションでは時間が限られてい
ることもあり,十分な議論ができないこともあるので,海外招待者らとじっくり
議論を行えるようにという思いから企画されました.海外招待者だけでなく,留
学生を含め,多くの方々に参加いただき大盛況でした.
 また,日本語での議論をじっくり行いたいという方々の発表機会を確保するこ
とも重要と考え,例年行われていた夏のデータベースワークショップと同様の形
式であります日本語口頭発表セッションでも,12のセッションにて38件の研究発
表が行われました.
 本フォーラムでは,若手研究者をエンカレッジし,コミュニティを活性化する
ことを狙いとして,英語発表,日本語発表,ポスター発表の中から特に優秀な研
究発表に対し,表彰を行いました.
 本フォーラムは初めての試みでしたので,運営上困難なこともいくつかござい
ましたが,海外招待者をはじめ,全ての参加者の方々のご協力により,非常に有
意義に開催することができたものと考えております.本当にありがとうございま
した.


<英語口頭発表セッション>(8セッション)
 Parallel DB,Multimedia and Semantic DB,Web Mining and Analysis,
 Document Management,Data Mining and Enterprise DB,
 P2P and Sensor Network,Data Stream and Broadcasting,
 Information Retrieval and Recommendation.

<日本語口頭発表セッション>(12セッション)
 Webマイニング,音楽情報・画像処理,セキュリティ・プライバシー,
 情報抽出・検索,アプリケーション,問合せ処理・インデクシング,
 Web解析,ストリーム・スカイライン,P2P,Web検索,文書管理,
 マルチメディア.

<海外招待者>
Prof. Keun-Ho Ryu, Chungbuk Nat. Univ., Korea.
Prof. Sang-Won Lee, Syungkyunkwan Univ, Korea.
Prof. Wook-Shin Han, Kyungpook Nat. Univ., Korea.
Prof. YU Ge, Northeastern Univ., China.
Prof. ZHOU Aoying, , East China Normal Univ., China.
Prof. JIN Cheqing,, East China Univ. of Science and Technology, China.
Prof. YANG Xiaochun,. Northeastern Univ., China.

<表彰>
 英語口頭発表:
  iDB Forum 2008 Best Paper Award  1件
  iDB Forum 2008 Excellent Paper Award  2件
 ポスター発表:
  iDB Forum 2008 Excellent Presentation Award  3件
 口頭発表:
  学生奨励賞(社会人でない学生対象)  13件

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○iDBフォーラム2008開催報告(その2)
 〜iDBフォーラムの予想以上,予想外の効果

【報告者:iDB2008実行委員長 大阪大学 原隆浩, 京都産業大学 中島伸介】

 国内研究会の発表を英語にして何の意味があるんだろう? iDBフォーラムに対
して,そんな印象を持っていた人は少なくないと思います.1年以上前から,シ
ニアの先生方を中心に若手も交えて,今年度からのデータベースコミュニティの
年間行事について議論を続けてきました.その行事の一つとして開催されること
になったのが,研究会発表を英語で行うiDBフォーラムでした.実を言いますと,
実行委員長を務めた私達二人も,最初はその意義に対して確信が持てる状況では
なく,「むしろ国際会議として開催することの方がメリットは大きいのではない
か?」などと話し合ったこともありました.
 しかし実際にiDBフォーラム2008を開催してみて,予想以上の効果と,さらに
予想していなかった効果があることに気がつきました.それらの効果について,
分析した理由と共に説明したいと思います.

効果1:学生が英語発表を予想以上に頑張っていて,質疑応答もわりとできてい
た.(むしろ,国際会議で見る日本人学生の発表よりもレベルが高かった.)

理由分析:開催が日本だし,聴講者がほとんど日本人なので,海外で開催される
国際会議よりもリラックスして発表,質疑応答ができる.しかも,英語発表のト
レーニングという主旨のため,指導教員がフォローに入ってくれない場合が多く,
学生自身に自力で何とかしなければという覚悟がある.

効果2:質疑応答が予想以上に盛り上がった.

理由分析:上記の学生自身の理由以外に,日本人聴講者も指導的な観点から積極
的に質問してくれた.また,中国,韓国から招待した講演者の人柄が素晴らしく,
主旨を理解した上で,積極的に質問してくれた(しかも,ゆっくりとした英語で).
その際,ネイティブスピーカなど欧米人よりも,やはりアジア人の英語は日本人
に聞き取りやすいようで,学生がアップアップする状況が少なかった.

効果3:日本在住の留学生,研究者が,「発表の議論がしっかりできた.会議に
コミュニティの一員としてしっかり参加している実感がある.」と非常に喜んで
いた.(予想外の効果)

理由分析:まずは留学生による発表に関して,通常の研究会では英語発表は留学
生だけなので,議論が盛り上がりにくいことが多いのに対して,iDBフォーラム
では英語発表が標準なので,聴講者が発表をしっかり聴いてくれる.さらに,留
学生は英語が上手なので,特に議論が盛り上がる.
 また,一般聴講者としても,訪日直後の留学生やポスドクは日本語をしっかり
と聞き取れない人もいるため,通常の研究会ではある種の疎外感を感じたり,発
表を聴けないもどかしさを感じる場合があるらしい.そういった意味でも,iDB
フォーラムは,外国人研究者がコミュニティの一員として会議に参加している実
感を持つことができる.

上記のような効果は,私達だけではなく多くの参加者の皆様も感じたようで,
「とてもいい企画なので,来年以降も是非続けてほしい」というご意見を多数頂
きました.私達自身,iDBフォーラムの実行委員長という役目は今回で終わりま
したが,本フォーラムが今後も継続されることを期待したいと思います.そして,
本フォーラムから世界に向けて多き羽ばたく若手研究者が生まれることを期待し
ています.

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○iDBフォーラム2008参加報告
 「英語で議論,日本人」

【報告者:京都大学 大島裕明】

9月21日から3日間,福島県飯坂温泉にて行われたiDBフォーラム2008に参加しま
した.私も発表を行い,幸い,口頭発表を行った論文「両方向構文パターンを用
いたWeb検索エンジンからの高速関連語発見手法」で最優秀論文賞を,ポスター
発表「Detecting and Visualizing Coordinate Relationships over Time」で優
秀ポスター賞をいただきました.
これらの研究は,Webから検索エンジンなどをうまく利用して,なるべく手軽に
知識を発見しようというものです.一般的なページ検索が廃れることはないでし
ょうが,より細かい粒度の,オブジェクトレベルや知識レベルの検索が今後必要
になるという信念を持ち,研究を行っています.また,最近,Web上のコンテン
ツの信憑性についての研究を始めました.Web上に存在する雑多な情報の中で,
本当に信じてもよい情報を見分けるにはどうすればよいかという課題に取り組ん
でいるのですが,これは非常に難しいです.しかし,今後,情報の信憑性を考え
る必要性が高くなると考え,このような研究を行っています.
話がずれましたので,iDBフォーラム2008の話に戻りますが,参加する前には,
ほとんどが日本人の中,英語の発表が行われるということで,滑稽なものになる
かもしれないと思っていました.しかし,その予測は良い意味で全く裏切られる
ことになりました.口頭発表においては,博士取得後の方々はともかく,ほとん
どの博士学生の方々がしっかりとした英語の発表をされていました.おそらく,
周到に準備され,何回も練習して来られたのだと思います.ポスター発表では,
修士学生も多く来られましたが,英語で問題なく議論させていただくことができ
ました.もちろん,私も含め,まだまだ英語を鍛えないといけないのですが,日
本人の英語力もまだ捨てたものではないと,ある種の感動を覚えました.iDBフ
ォーラムは,日本人の国際競争力を高めることを目指して,今回のような形式で
行われたということです.1人の参加者としては,来年以降もぜひ英語で議論す
る場を提供し続けていただきたいと思います.


●会議名:講演会 Prof. Y.C. Tay (National University of Singapore)
 日時:2008年9月24日
 場所:東京大学生産技術研究所 E棟5階会議室A(Ew-501)
 共催:日本データベース学会
  ACM SIGMOD日本支部
  特定領域研究「情報爆発IT基盤」

【報告者:東京大学 中野美由紀】

近年の大規模データセンター,エンタープライズDBシステムでは,構成するシス
テム資源が複雑であり,応用処理からその構成を決定することは難しい.いった
ん稼働し始めたシステムのストレージ,主記憶を拡張する場合,多くは人による
複雑な調整が必要となる.そこで,多数多岐にわたるワークロード負荷を考慮し
たシステムのストレージ,主記憶などの資源量を再構成を自律的に行う手法とし
て,キャッシュミスのログ情報からキャッシュミス率を推定し,資源量の決定を
自律的に行うアルゴリズムを講演者は提案している.アルゴリズムの詳細な手法
およびシミュレーションによる評価結果について紹介された.

●会議名:DMSS2008
The Int. Workshop on Data-Mining and Statistical Science
 日時:2008年9月25-26日
 場所:東京工業大学
 URL: http://sigdmsm.org/dmss2008/

【報告者:産業技術総合研究所 神嶌敏弘】

DMSSは,データマイニング関連の,機械学習,統計,データベースなどの分野の
交流を目指すワークショップで,人工知能学会のデータマイニングと統計数理研
究会 (SIG-DMSM) を中心に運営している.開催は国内ではあるが,発表は英語で
行う国際ワークショップである.3回目となる DMSS2008 は,2008年8月25〜26日
の二日間にわたり,東工大で開催した.招待講演3件,一般発表件数16件,参加
者は63名と盛況であった.以下,招待講演の概要を紹介する.なお,講演資料は
次のページにて公開している.
DMSS2008招待講演一覧 http://sigdmsm.org/dmss2008/italk.html

- New Directions in Statistical Graph Mining
化合物やRNAの立体構造など,ベクトルでは扱えないデータをグラフで表現する.
このグラフを,頻出部分構造をグラフマイニングで抽出し,それらをベクトル形
式に変換して分析する.だが,部分構造の種類が多過ぎて事実上計算できないの
で,機械学習とグラフマイニングによる特徴抽出とを交互に繰り返して,大規模
な問題を解く.

Privacy-preserving Data Mining and Machine Learning
プライバシー保護データマイニング (PPDM) では,各利用者が個人情報の入った
データベースをそれぞれ保持している状況を扱う.このとき,各利用者は自身の
データベースの内容を他の利用者に明かすことなく,全参加者のデータベースを
集めたものを分析した結果を得る枠組みである.なお,人工知能学会誌に PPDM
の解説が近々掲載される.

Theoretical Explanation of the Boosting Algorithms
代表的なアンサンブル学習手法である Boosting では分類器をある程度加えると
経験誤差が 0 になる.その後も追加し続けると経験誤差が 0 のままで,汎化誤
差も小さくなる減少がしばしば見られる.この現象は最小マージンの最大化によ
って説明されてきたが,実験結果との不整合が生じた.そこで,平衡マージンの
最大化による説明を与える.

本ワークショップの予稿集は SIG-DMSM 研究会のメーリングリストに登録すれば
ダウンロードできる.登録方法は次のホームページを参照されたい.
SIG-DMSM ホームページ http://sigdmsm.org/
次回の DMSS2009 は2009年7月の開催を予定している.多くの方々の発表や参加
をお待ちしている.

●会議名:第93回 ISセミナー「ストレージ最新テクノロジセミナー」
 日時:2008年10月 9日 15:00-17:00
 場所:電気通信大学 情報システム学研究科棟大会議室(2F)

【報告者:電気通信大学 横山貴紀】

 電気通信大学大学院情報システム学研究科(IS)では,外部から講師を招いて
最新の技術や研究内容を紹介していただく「ISセミナー」を開催しています.93
回目を数える今回,ネットアップ社から代表取締役社長の大家万明氏とテクニカ
ルディレクターの金磯善博氏を迎え,「ストレージ最新テクノロジセミナー」と
題して講演を行っていただきました.
 大家氏は本学電気通信学研究科を1979年に修了し,日立製作所の通信事業部門
で活躍された後,2007年1月よりネットアップ社代表取締役社長に就任されまし
た.大学院修了後も本学とは日立製作所のリクルータチームリーダなどを通じて
長く関わっておられ,現在も本学IS研究科に社会人博士として在籍しておられま
す.その大家氏からは,ネットアップ社の技術や製品群が持つ価値について,実
業の立場からご講演いただきました.ネットアップ社は現在,ストレージベンダ
ーとしては世界第2位,成長率や市場シェアなどで世界トップクラスの実績を持
っております.他社の製品群に比べてTCO(総保有コスト)を大幅に削減できる
ことや,近年の大容量化するデータセンターの消費電力やCO2排出量削減などの
所謂グリーンIT実現に不可欠な製品群を提供していることなどをご説明いただき
ました.
 テクニカルディレクターの金磯氏からは,WAFLとRAID-DP(RAID6)を中心に,
技術面についてご講演いただきました.WAFLはネットアップ社がベンチャー企業
として発足する切っ掛けとなった,いつ電源を切ってもファイルの一貫性を保障
し,従来のRAID4/5の問題点である部分更新の頻度を大幅に減らすことを可能と
し,さらに過去のファイルをいつでも参照・復元できる技術について,NVRAM(不
揮発メモリー) を用いた内部動作と共にご説明いただきました.また,対角線上
に新たなパリティを設けたRAID-DPでは,構成する2つのディスクが障害を起こし
た場合でもデータの復元が可能なことを,視覚的に分かり易くご教授いただきま
した.この他,Lost Write検出技術,ディスクデータ保護技術,消費電力やCO2
削減の企業の導入事例を交えた紹介など,通常数週間かけてご講演いただく内容
を,的確に,分かり易くご説明いただきました.
 さまざまなトピックスとその深い内容の紹介が最後まで続く,非常に充実した
セミナーでした.大家氏は普段,海外での産学協同による最新テクノロジーの迅
速な実用化状況を目の当りにされる機会が多く,本学の学生や教職員にその具体
的な事例を伝え,将来に役立てて欲しいとの本学OBとしの想いを強く持たれてお
られました.非常にご多忙な中でのスケジュール調整によって実現した本セミナ
ーは,当初予定していた時間を越えたにも関わらず,ほぼ満員の会場の参加者を,
質疑応答を含めた最後の時間まで惹きつけるものとなりました.


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2.論文募集

[大阪大学 原, 神崎]
会議名:DMIEW 2009
Int. Workshop on Data Management for Information Explosion
in Wireless Networks
(in conjunction with CICIS 2009)
日時:2009年3月16-19日
場所:福岡工業大学
URL: http://www-nishio.ist.osaka-u.ac.jp/conf/dmiew2009/
日程:2008年10月31日 論文締切

[早稲田大学 山名]
会議名:MAW-09
The 2009 IEEE Int. Symp. on Mining and Web
(in conjunction with AINA2009)
日時:2009年5月26-29日
場所:Bradford, UK
URL: http://www.enews.ece.uvic.ca/conf/MAW09
日程:2008年11月15日 論文締切

[名古屋大学 石川]
会議名:DEIM Forum 2009
第1回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム
(Forum on Data Engineering and Information Management)
日時:2009年3月8-10日
場所:ヤマハリゾートつま恋 (http://www.tsumagoi.net/)
URL: http://db-event.jpn.org/deim2009/
主催:電子情報通信学会 データ工学研究専門委員会
日本データベース学会
情報処理学会 データベースシステム研究会
日程:2008年12月15日 発表申込締切(予定)
2009年 1月 9日 論文投稿締切(予定)

[青山学院大学 増永]
雑誌名:日本データベース学会論文誌
Journal of the Database Society of Japan
投稿締切: 2008年12月26日17:00 (Vol.4, No.4)
刊行予定: 2009年 3月27日

[筑波大学 森嶋]
会議名:JCDL2009
Joint Conf. on Digital Libraries
日時:2009年6月15-19日
場所:Austin, TX, USA
URL: http://www.jcdl2009.org
日程:2009年1月23日 論文締切
2009年1月31日 ポスター&デモ締切
2009年1月31日 チュートリアル&ワークショップ提案デモ締切

[京都大学 小山]
会議名:KDD-2009
The 15th ACM SIGKDD Int. Conf. on Knowledge Discovery and
Data Mining
日時:2009年6月28日-7月1日
場所:Paris, France
URL: http://www.kdd.org/kdd2009/
日程:2009年2月 6日 論文締切 (抄録締切2009年2月2日)
2009年2月 6日 ワークショップ提案締切2009年1月19日
2009年2月23日 パネル提案締切


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3.会議案内

【国内】
[リコー 橋本]
会議名:IEEE Japan Council WIE (Women in Engineering) フォーラム
日時:2008年11月10日 13:00〜17:00(参加無料)
場所:名古屋大学 野依記念学術交流館
URL: http://www.kyodo-sankaku.provost.nagoya-u.ac.jp/
日程:2008年11月5日 申込締切 (定員:180人先着順)

[国立情報学研究所 北本]
会議名:国際シンポジウム:
IGYから50年−最新情報技術と地球・太陽の科学−
日時:2009年11月10-13日
場所:産業技術総合研究所
URL: http://wdc2.kugi.kyoto-u.ac.jp/igy50/

[楽天 高見]
会議名:楽天研究開発シンポジウム2008
〜 次世代インターネットサービスを支えるテクノロジー 〜
日時:2008年11月29日
場所:楽天本社 (品川区東品川4-12-3 品川シーサイド楽天タワー)
URL: http://www.rakuten.co.jp/event/rrds2008/

[筑波大学 森嶋]
会議名:WebDB Forum 2008
Webとデータベースに関するフォーラム 2008
日時:2008年12月1-2日
場所:学習院 創立百周年記念会館
URL: http://db-event.jpn.org/webdbf2008/
主催:情報処理学会 データベースシステム研究会
日本データベース学会
電子情報通信学会 データ工学研究専門委員会

[大阪大学 土方]
会議名:第13回Webインテリジェンスとインタラクション研究会
日時:2008年12月11-12日
場所:神奈川近代文学館 (http://www.kanabun.or.jp/0g20.html)
URL: http://www.ieice.org/~wi2/
主催:電子情報通信学会 ヒューマンコミュニケーショングループ

[情報通信研究機構 木俵]
会議名:2nd Int. Symp. on Universal Communication
日時:2008年12月15-16日
場所:大阪国際会議場 (http://www.gco.co.jp/japanese.html)
URL: http://www.is-uc.org/2008/

[筑波大学 藤井]
会議名:第7回NTCIRワークショップ(NTCIR-7)成果報告会
日時:2008年12月16-19日
場所:学術総合センター
URL: http://research.nii.ac.jp/ntcir/ntcir-ws7/meeting/

[筑波大学 松村]
会議名:じんもんこん2008
人文科学とコンピュータシンポジウム
日時:2008年12月20日-21日
場所:筑波大学 つくばキャンパス 春日地区
URL: http://www.slis.tsukuba.ac.jp/chs08/
主催:情報処理学会 人文科学とコンピュータ研究会

[東京大学 川原]
会議名:Pervasive 2009
The 7th Int. Conf. on Pervasive Computing
場所:奈良県新公会堂
日時:2009年5月11-14日
URL: http://www.pervasive2009.org/


【海外】
[東京電機大学 戸辺]
会議名:ACM SenSys 2008
The 6th ACM Conf. on Embedded Networked Sensor Systems
日時:2008年11月5-7日
場所:Raleigh, NC, USA
URL: http://sensys.acm.org/2008/

[東京大学 喜連川]
会議名:CoopIS'08
Int. Conf. on Cooperative Information Systems
日時:2008年11月9-14日
場所:Monterrey, Mexico
URL: http://www.cs.rmit.edu.au/fedconf/

[静岡大学 石川]
会議名:ICDIM 2008
Third Int. Conf. on Digital Information Management
日時:2008年11月13-16日
場所:London. UK
URL: http://eventseer.net/event/5736/

[長崎県立大学 ソムチャイ]
会議名:ASWC 2008
The 3rd Asian Semantic Web Conf.
日時:2008年12月8-11日
場所:Bangkok, Thailand
URL: http://aswc2008.ait.ac.th/

[東京工業大学 横田]
会議名:PRDC'08
The 14th IEEE Pacific Rim Int. Symp. on Dependable Computing
日時:2008年12月15-17日
場所:Taipei, Taiwan
URL: http://www.csie.ntust.edu.tw/prdc08

[お茶の水女子大 小口]
会議名:ICUIMC-2009
The 3rd Int. Conf. on Ubiquitous Information
Management and Communication
日時:2009年1月15-16日
場所:Suwon, Korea
URL: http://www.icuimc.org/

[東京工業大学 横田]
会議名:DASFAA2009
The 14th Int. Conf. on Database Systems for Advanced
Applications
日時:2009年4月21-23日
場所:Brisbane, Australia
URL: http://www.itee.uq.edu.au/~dasfaa

[東京大学 喜連川]
会議名:PAKDD-09
The 13th Pacific-Asia Conf. on Knowledge Discovery
and Data Mining
日時:2009年4月27-30日
場所:Bangkok, Thailand
URL: http://www.pakdd2009.org

[大阪大学 原]
会議名:AINA2009
The 23rd IEEE Int. Conf. on Advanced Information
Networking and Applications
日時:2009年5月26-29日
場所:Bradford, UK
URL: http://www.inf.brad.ac.uk/~iawan/aina/

[大阪大学 神崎]
会議名:DMWPC 2009
2nd. Int. Workshop on Data Management for Wireless
and Pervasive Communications
(in conjunction with AINA2009)
日時:2009年5月26-29日
場所:Bradford, UK
URL: http://www-nishio.ist.osaka-u.ac.jp/conf/dmwpc2009/

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4.教員公募

[立命館大学 川越]
立命館大学情報理工学部 情報コミュニケーション学科
人員:助教 (任期5年) 3名
分野:情報コミュニケーション分野
着任:2009年4月1日
締切:11月21日
URL: http://www.ritsumei.jp/job/detail11_j.html

[筑波大学 森嶋]
東北大学大学院情報科学研究科
人員:教授1名
分野:データベース,データマイニングなど,知識抽出を支える基盤技術.
着任:2009年 7月頃,またはそれ以降のなるべく早い時期
締切:2008年11月28日
URL: http://www.is.tohoku.ac.jp/publicadv/shino080725.html

[東京電機大学 勝野]
東京電機大学 理工学部 サイエンス学系 数理情報学コース
人員:助教(任期付) 1名
分野:情報科学全般,特に人工知能,知能ロボティクス,マシンビジョン,
数理システム
着任:2009年 4月1日
締切;2008年12月1日
URL: http://www.cse.dendai.ac.jp/index.html

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5.その他

[東京大学 中野]
文科省科研費 特定領域研究「情報爆発IT基盤」公募研究
公募締切:2008年10月31日
URL: http://www.infoplosion.nii.ac.jp/info-plosion/


[筑波大学 加藤]
未踏 IT人材発掘・育成事業
「グリーンITへの未踏的アプローチ」(加藤和彦PM)
公募締切:2008年10月31日
URL:
http://www.ipa.go.jp/jinzai/mitou/2008/2008_2/hontai/documents/9Katoh_PM.pdf

[岡山県立大学]
・11/7 17:00 - 11/10 10:00 学会サーバ停止


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┃日本データベース学会電子広報委員会
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