日本データベース学会

dbjapanメーリングリストアーカイブ(2011年)

[dbjapan] PRMU研究会 (10/6-7 幕張メッセ) 参加者募集


日本データベース学会の皆様

NTT の鬼塚です.
10月のPRMU研究会の参加者募集のお知らせを送らせて頂きます.

幕張メッセ国際会議場にて10月6日7日、
電子情報通信学会パターン認識とメディア理解研究会を行います。
ビッグデータに関するデータ処理、クラウド応用に関するものでとにかく
日本で考えられる大規模データ処理を行っていそうな人をリストアップし
参加してもらうことにしました。

Mobageの大規模データマイニングを紹介いただく濱田晃一(DeNA)さん
から、統計数理の大御所、樋口知之(統計数理研)先生、金融系、消費者
行動のモデリング、SNSデータ解析など考え付く一線の招待講演者を固めて
います。
最終日は、グーグルの栗原さん、楽天の森さんにもご参加いただき、機械
学習気鋭の研究者杉山先生、web crawlingの鳥澤さん、PRMU委員長の山田
さんのパネルで将来のWebスケール時代のデータ処理の方向性を議論します。
(モデレータは私 栄藤、PRMU副委員長)。
参加自由です。CEATECの途中にでも是非お立ち寄り下さい。


------ ここから ----

プログラムおよび詳細: http://twt.mx/RjPe

日時、場所
10月6日(木)7日(金)幕張メッセ国際会議場(CEATEC会場)
参加自由。無料。立ち見の場合ご容赦。
USTREAMも予定:
http://www.ustream.tv/channel/prmu


テーマ:「PRMUの拓く未来:Webスケール時代のパターン認識」

趣旨:

一億台ものコンピュータが連携して地球規模でサービスを提供する
クラウドが出現して以来,情報の共有が人間ネットワークを介して
瞬時に行われるソーシャルメディアが生まれ,さらには散在する情
報を幅広く収集しそれを価値化して提供するという情報の社会化の
時代を迎えようとしています.3月11日の東日本大地震をきっかけ
に,地球規模の気象・環境・生態系,経済活動・人の動きを認識す
ることに注目が集まっています.これらの分野に対する注目は一過
性のものではなく,ネットワークの進化や経済発展と 環境への関心
が高まるにつれ,今後も引き続き発展することが考えられ,ここに,
パターン認識・メディア理解技術が貢献できると考えられます.

そこで,10月のPRMU研究会では,「PRMUの拓く未来:Webス
ケール時代のパターン認識」という大きなテーマで開催し,「ソーシ
ャルメディア」,「クラウド」,「地球環境」,「経済活動」の4つ
の分野におけるパターン認識研究のあるべき姿を議論いたします.

mixi,twitterやfacebookに代表される「ソーシャルメディア」は,個
人や場所に関する情報は当然ながら,個人間の関連情報やネットワークへ
のアクセス状況など実生活に密接した情報を有すると考えられます.twitter
には「つぶやき」自身が有する情報だけではなく,自然言語処理を用いて
自動でつぶやきを行うシステムの開発も行われています.また,Web上に
データを収集する,あるいは,データを処理する「クラウド」によって,
利用者は無意識に多量の画像・音声などのメディアをWeb上に保持したり
共有することが可能になりました.これにより,例えば,手元に大量の
データベースを持たなくとも,大規模な情報に対する検索を行えるなど,
生活するうえにおいて,人間の第二の脳ともいえる存在になりつつあります.
これらは,今後生活の一部と成り得る勢いがありますが,そのためには
情報のつながりや検索などパターン認識・メディア理解技術の貢献
するところが多いことはいうまでもありません.

地球規模の環境変化をターゲットとする「地球環境」については,
例えば,CO2や電力を削減するための高効率な電力ネットワークを制御や,
地球を衛星で捉えた信号を解析することで,単に可視の画像情報を利用する
だけではなく,赤外光,あるいは,マイクロ散乱計を用いた降雨量を測定が
可能となります.これらを適切に制御・予測するためには電気工学,気象工学
などの分野で得られる知見に対して,パターン認識・メディア理解の技術を
積極的に適用することで,地球規模の環境貢献へとつながるため,産官学いずれ
においても重要なテーマと位置づけられます.

我々の日常生活に密接に関連する「経済活動」については,
デジタルサイネージなど消費者の購買行動を促すようなアプローチや,
消費者の購買パターンを分析することで得られる消費者心理に関連することなど,
人間の購買行動を促し経済を発展させるための研究や,
グローバルな企業運営に必ず伴う為替リスクを最小にする金融工学と呼ばれる
分野への研究が数多く行われています.
これらの研究の根底には,認識・理解技術が密接に関連しているため、
認識・理解技術は,今後の経済発展のドライバと成り得ると考えられま
す.

本研究会では,これらの分野の最先端で活躍されている方々から第一
線の研究を紹介していただく特別講演を企画しております.
最終日のパネルディスカッションでは、
・NEC C&Cイノベーション研究所長 山田 敬嗣 様
・東京工業大学 杉山将 先生
・楽天技術研究所 研究所代表 森正弥 様
・情報通信研究機構(NICT)ユニバーサルコミュニケーション研究所 情報分析研究室 室長 鳥澤健太郎 様
・グーグル株式会社 栗原賢一 様
をお招きして、将来の研究開発の方向性を議論します。
また同一会場にて,最新のコンシューマデジタル技術に触れることができるCEATEC 2010 も開催されて
おりますので,多数のご参加をお待ち申し上げております.

-----------------------------以下招待講演者の演目と簡単なアブストラクト----------------------------
[特別講演]ソーシャル・メディアの可能性 〜 社会情報学の視点から 〜
○太田敏澄(電通大)

[特別講演]ベイジアンモデリングによるマーケティング・サイエンスの新展開
○佐藤忠彦(筑波大)
マーケティング分野ではマイクロ・マーケティングと呼ばれる“個に”焦点を当てた活動がその有効性から注目されている.また,消費者の行動の結果である大規模データの蓄積が進んでいる.マイクロ・マーケティングを高度化するためには,それらデータから個に関する詳細な情報(消費者異質性,動的異質性など)を上手に抽出し,その活動に生かすことが求められる.それを実現する手段がベイジアンモデリングである.本稿ではそれらを背景としてなされた分析事例とマーケティング・サイエンスにおける今後の展望を紹介する.

[特別講演]FoodLogにおけるクラウドとパターン認識
○相澤清晴(東大)・小川 誠
著者らが進めている食事画像をアップして,画像解析するインターネット上のサービスについて第0世代から,クラウドを利用する第1世代,第2世代までの構成について述べるとともに,そこで運用あるいは進めつつある画像処理について述べる.

[特別講演]Mobageの大規模データマイニング
○濱田晃一(DeNA)
2700万人以上の登録会員をかかえるモバイルソーシャルゲームプラットフォーム「Mobage」では、1日20億超の行動情報が蓄積されています。これらの大規模行動データを対象に、データマイニング・機械学習の各種方法論を適用することにより、隠された法則を解明・より良い解を導出し、迅速なサービス洗練を実現しています。今回は、これらMobageでの大規模データマイニングに関し紹介します。

[特別講演]類似画像検索のこれまでとこれから 〜 Web画像サービス「GazoPa」の経験を踏まえて 〜
○廣池 敦・小林秀幹(日立)

[特別講演]データ同化による半現実世界の実現 〜 オンライン情報統合とアンサンブル予測の計算基盤 〜
○樋口知之(統計数理研)
時々刻々得られる大量時空間情報と数値シミュレーションをオンラインで統合する計算技法はデータ同化と呼ばれる。近年の大気・海洋の数値予報の精度向上は,数値計算そのものの大規模化と精緻化よりも,データ同化のような現実世界からの学習機能の強化により主として図られているといっても過言でない。この考え方は,ある意味バーチャルである数値シミュレーションにリアルを埋め込む作業の実現と見なせる。

[招待講演]ビッグデータとパターン認識 〜 More data usually beats better algorithms? 〜
○栄藤 稔(NTTドコモ)
音声認識、文字認識がWeb、SNS言語データの集積によりどのように向上
するかを述べる。このためのデータマイニングシステムがどうあるべ
きかについて並列RDB,NoSQL DBをサーベイする一方で、Evernoteを例として既存
のRDBのスケーラビリティの可能性について述べる。
最後にドコモ独自の取り組みとしてモバイル空間統計とよぶ位置情報処理を紹介する。


[招待講演]デジタル台風:気象現象のリアルタイム認識・理解に向けた大規模データの統合と分析
○北本朝展(NII)
「デジタル台風」はもともと画像検索研究のための台風気象画像テストコレクションを作ることが目的のプロジェクトであり、当初は類似画像検索のアルゴリズムの実験やサポートベクトルマシンを用いた雲パターンの分類などの研究を進めていた。しかしウェブサイトにおけるリアルタイムのデータ公開をきっかけとして、台風情報への社会的な要請に応えるためのデータ統合へと研究の対象が拡大し、衛星画像や気象センサ、自然言語やソーシャルメディアなど多種のデータを統合・分析することで、地球上で起こっていることをリアルタイムで認識・理解し伝達するための情報基盤の構築も重要な目標となった。本講演ではそうした目標への試みを紹介するともに、当初の目的であった地球環境データへのパターン認識の適用についても、取り組みと将来の可能性を述べる。

[特別講演]金融市場分析のためのパターン認識と機械学習 〜 テキスト・マイニングの応用例 〜
○松井藤五郎(中部大)
本発表では,金融市場分析に用いられるパターン認識と機械学習の手法を解説し,筆者が取り組んでいるテキスト・マイニングを用いた金融市場分析の例を紹介する.

[特別講演]Webマルチメディア と 物体認識
○柳井啓司(電通大)
近年,画像中の物体を認識する物体認識技術が急速に発展しているが,これは
画像特徴表現や機械学習法の発展に加えて,Web上の画像・映像情報の急速な
増大によるところが大きい.本講演では,Web上の大量のマルチメディア情報を
利用する最近の物体認識技術,および,最新の物体認識手法をWeb上のマルチ
メディア情報に適用するWebマルチメディアマイニング技術について解説を行う.


[特別講演]みんなのマイクロ経験を用いた新たな巨大地域社会分析への挑戦
○李 龍(NICT)
ソーシャルネットワークとスマートフォンで代表される今のIT技術は単にウェブを通じた従来の情報検索を超えて
エジプトの政治的危機などの様々な地域社会活動においてクラウド(Crowd)による実空間と情報空間を
結ぶ重要な手段となっている。しかし、複雑になっている社会・情報インフラの関係を総合的に理解することは
非常に困難であり、これから社会のためにどのような技術が必要であるのか予測はさらに難しく成りつつある。
本講演では、クラウド中心で情報インフラと地域社会活動の関係を理解するモデルよびそれに基盤して
Twitterを用いた地域社会イベント発見の研究を紹介する。また、その経験からソーシャルネットワーク
中心でみんなのマイクロ経験を利活用するための情報基盤プラットホームの重要性とその諸課題について述べる。


以上